信金が預金金利を引き上げた! マイナス時代に「逆バリ」

 信用金庫の一部で、預金金利を引き上げる動きが出ている。日銀のマイナス金利政策を受けてメガバンクや地方銀行が軒並み預金金利を引き下げているのに、どういうこと?
 熊本市に本店を置く熊本第一信用金庫は2016年2月10日、「若者金利アップ定期預金」の取り扱いを始めた。新規預け入れの1年満期の定期預金対象に、50歳未満の個人が50万円以上を預け入れる場合の金利を、それまでの年0.025%から年0.1%に、50歳以上の個人で100万円以上預け入れる場合には年0.08%に引き上げた。
 福岡県岡垣町に本店を構える遠賀信用金庫は16日から金利を上乗せする定期預金を発売した。対象は個人で、預入限度額は20万円以上300万円以下(ひとり300万円まで)。「年金」「給与振込」「公共料金の自動振替2種目以上」のいずれかの取引がある人は年0.2%、貸金庫契約者は年0.3%で受け入れる。預金の種類はスーパー定期預金1年物だ。
 西武信用金庫(東京都中野区)も、3月1日から預金金利を引き上げ。預入期間が3年~5年物の定期預金の金利を、3年物と4年物は店頭表示金利に0.01%を上乗せ、5年物は0.02%を上乗せする。
 信金側は「少しでもマイナスな雰囲気を緩和し、安心感をもっていただきたいと考えた。問い合わせが殺到」と話す。なぜ信用金庫でこうした「逆バリ」が可能なのか――。
 すでに預金金利は現状、限りなくゼロに近い。仮に預金金利を引き上げて年0.1%にしたとしても、100万円を1年預け入れても利息は1000円にしかならないのだから、話題性や預金の歩留まりを考えれば、プラスと判断してもおかしくない。
 さらに、個々の信金の背後には「信金中央金庫」の存在がある。信金中金は信金の上部組織で、全国の信金から預金を受け入れている。信金中金はマイナス金利を導入していないので利回りを確保できる。このため、信金側は日銀への預金で生じるマイナス金利分を補うことができるというわけだ。
 このニュースがネットで流れると、さっそく、「県外のサラリーマンやその家族でも大丈夫なのかな??」などとコメントが寄せられ、関心の高さを見せつけている。

0コメント

  • 1000 / 1000