定年退職後も好奇心と探究心を失わず 73歳男性、大阪大大学院で博士号取得

73歳で博士号を取得した人がいる。兵庫県宝塚市に住む姉崎正治さん。2015年9月25日、大阪大学大学院の秋の学位記授与式が行われ、西尾章治郎大阪大総長が「飽くなき向学心、探求心に深い尊敬の念を抱いた」とその快挙を讃えた。
姉崎さんは1958年、新潟市の中学を卒業後、集団就職で住友金属工業(現新日鉄住金)に入社。製鉄所に併設された教習所で、製鉄の基礎と高校の教育課程に相当する授業を受けた。
その後、京都大学などに派遣され、1985年には製鉄の過程で不純物を効率よく除去する技術開発の研究が認められ、東大工学研究科で最初の博士号を取得した。
60歳で定年退職後は、中南米に関心を持ち、大阪外国語大学(現大阪大)でスペイン語などを学び、さらに、大阪大学人間科学研究科に入学。5年間かけて、スペイン植民地時代のボリビア、ポトシ銀鉱山の鉱業技術や現代の鉱山における重金属汚染土壌の修復と資源の回収、使用済み携帯電話から金を回収する技術など、持続可能な貴金属鉱山業をテーマに研究をおこなってきたという。

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