新しい銀座、どこに行こうか? 商業ビルやホテル、能楽堂・・・魅力いっぱい
東京・銀座に2016年から17年にかけて新しいショッピングビルやホテルなどが次々とオープンする。キーワードは「伝統」と「文化」。銀座らしさを意識しながら、新たな顧客層の開拓を目指す。
このところ「爆買い」などで、以前にも増してにぎやかになっている銀座だが、さらに混雑に拍車がかかることになりそうだ。
数寄屋橋に「東急プラザ銀座」
トップを切って16年3月31日にオープンするのは「東急プラザ銀座」。数寄屋橋交差点をはさんでソニービルの向かい側。「銀座阪急」があったところだ。地下5階、地上11階。伝統の江戸切子をイメージした斬新な外観が目を引く。
地下には170台を収容する駐車場が設けられ、全体の13フロアが店舗エリア。ファッション、レストラン&ダイニング、マルシェ、免税店など125店舗が出店する。地下2階はフード&イートインショップが入り、地下1階には人気の雑貨店。地上1~2階にはブランド店舗が並ぶ。6階には施設のシンボルとなるラウンジ、屋上にはオープンテラスを設け、憩いの場となるパブリックスペースを提供する。
特に目新しいのは、8~9階に設けられる都内最大の市中空港型免税店「ロッテ免税店銀座」。爆買い中国人観光客などインバウンド需要の取り込みを狙う。
開発コンセプトは、伝統と革新の融合から生まれる文化の発信を目指した「Creative Japan〜世界は、ここから、おもしろくなる」。銀座・有楽町地区の新たなランドマークになることを目指している。
「観世能楽堂」ができる
続いて16年夏にオープンするのは「銀座プレイス」。銀座4丁目の交差点、元は日産のショールームがあった場所だ。銀座三越の向かい側、和光の対角線という「超一等地」だけに、注目度は高い。外観は、透かし彫りをモチーフに伝統工芸の美しさを表現した存在感のあるデザイン。名称は、国内外の多くの人に親しんでもらえるように「銀座プレイス」というシンプルなものにしたという。
フロア構成は、11階がレストラン、8~10階がショップ・サービス、7階がレストラン・カフェなど。まだ概要のみの公表だが、元々あった日産のショールームやビアホールは装いを新たに再オープンする見通しだ。
銀座再開発の最大の目玉になるのが、17年1月末にオープンする「銀座六丁目プロジェクト(仮称)」。松坂屋の跡地一帯にできる大規模複合施設だ。地上13階、地下6階。敷地面積約9080平方メートルと巨大さは銀座でもケタはずれ。高級ブランドショップやレストランが入るほか、7階から13階までは銀座では異例のオフィスゾーンとなる。
文化施設として「観世能楽堂」ができるほか、銀座の商業施設では初めて観光バス等が利用可能なバス乗降スペースも設けられる。観光案内所なども整備され、爆買いツアー客に対応する。
米国のホテルも
並木通りには、ホテルもオープンする。朝日新聞社の所有地にできる「銀座朝日ビル(仮称)」。ここには明治時代に同社があり、社員として石川啄木が働き、夏目漱石が小説を書いた、明治近代文学の伝統ある場所だ。最近まで同社関連のビルがあったが、それを取り壊し、17年秋、地下3階、地上12階の新施設ができる。3階より上の部分に米国のホテル「ハイアット・セントリック銀座」が入る。銀座中心街に最も近いホテルということで話題になりそうだ。
こうした一連の新しい集客施設には共通項がある。「銀座らしさ」の維持だ。銀座でビルを建てるには、町内会などを束ねた「全銀座会」の傘下にある「銀座デザイン協議会」と相談するよう区が取り決めている。したがっていずれの建物もコンセプトや外観、施設の内部などに、銀座らしい伝統の維持と文化的な装いをこらし、銀座に集う「上質の客」の獲得を目指している。
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