東大推薦入試、「裏ワザ」があった 地方受験生は「Skype」で特訓

 東京大学が初めて導入した推薦入試の結果が2016年2月10日に公表され、77人が合格した。このうち14人が、ある特定の予備校の出身者だったということが注目を集めている。
 この予備校は、AO入試(アドミッションズ・オフィス入試)に特化した予備校「AO義塾」。とりわけ法学部には8人の塾生が受験し、うち7人が合格した。法学部の合格者は全部で14人なので、じつに2人に1人がAO義塾生だったという。
 AO義塾は、東京・代々木に本校を構え、地方の学生はSkypeを活用して受講できる。これまでも難関大学のAO入試で実績を重ね、なかでも慶応大のAO入試では2015年度(4期生)に152人、合格率で86%と、2年連続の合格者数No.1を達成。16年度も126人の合格者を生んでいる。
 東大の推薦入試は「違ったタイプ」の学生を集めようと100人程度を募集し、173人が出願していた。「各高校、男女1人」という応募人数の制約があり、応募資格も「科学オリンピックで顕著な成績」、「国際バカロレアで優秀な成績」、「商品レベルのソフトウェア開発」といった例が挙げられていた。
 実際、国際物理オリンピック銀、日本学生科学賞総理大臣賞、科学地理オリンピック日本選手権金、全国クラシックコンクールピアノ金などの受賞者が合格したとみられている。週刊朝日などによると、出身高校別では都立日比谷高校など5高校が男女1人ずつ計2人の合格者を出した模様だ。男女別では女性の比率が37.7%になり、一般入試よりも大幅に増えた。また地方出身者も増え、例年なら東大合格者ゼロの高校からも合格者が出ているという。
 一握りの「スーパー高校生」しか受験できないのではという批判もあったため、東大では「来年度は募集要項の表記の改善などを考えている」。
 このほか京都大でも「特色入試」で60人が合格した。大学入試は今後、超難関大学でも「推薦」「特色」組と、そうでない一般組との棲み分けが進みそうだ。

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