「なんで、私が北大医学部に!?」 1年で偏差値29→67、本当なのか
偏差値29の落ちこぼれ学生でも、適切な指導で北海道大学医学部に合格できる――。大学受験予備校の四谷学院のCMが話題だ。「なんで、私が東大に!?」「なんで、私が京大に!?」のCMで知られる四谷学院。それにしても今回は、偏差値の伸び具合が凄すぎる、と注目されたのだが・・・。
このCMは、2016年2月初旬から放送されたもの。前年に北大学の医学部に合格したという生徒が「偏差値29からのスタートだった」と語り、四谷学院ならば基礎から1つずつ積みあげて成績が上がったことをアピールする。
河合塾によると、北大学の医学部の偏差値は67.5。名古屋大医学部、九州大医学部、東大理1などと同じ偏差値だ。予備校での浪人経験者に聞くと、29→67.5というのは受験界の常識ではありえない。1年で15ぐらいアップさせるのが限度だという。だからこそ、超劣等生でも、四谷学院に通うことで難関大の医学部に合格できるのかと驚愕が広がった。
だが、あるネットユーザーが、このCMに対して鋭い指摘を寄せた。CMの中で偏差値29と紹介されていた生徒が、実は全国屈指の進学校、奈良の「東大寺学園」出身だったことに気づいたのだ。
東大寺学園と言えば関西では灘高に匹敵する受験の名門。CMでは「偏差値29」という部分が強調されたが、要するに「校内偏差値29」。超有名進学校の中での一時的な劣等生だったにすぎない、というわけだ。それなら、1年間の猛勉強で北大医学部に受かっても不思議はない。
かつて偏差値30の「学年でビリのギャル」が、1年半の猛勉で慶応大学に合格したという本が話題になったことがある。実際のところ、このギャルは「偏差値60を超える県内有数の進学校」の出身だったとされる。
今回のCMについてネットでは、「ビリギャルと同じオチ」「これで騙される奴はビリギャルが流行った時から何も学んでない」などといった声が出ている。逆に言えば、両方のケースともに、一定レベル以上の「基礎学力」の重要さを改めて教えたということになる。それがなければ「奇跡」も起きなかったことだろう。
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